不動産訴訟
土地の占有移転禁止の仮処分
土地の占有移転禁止の仮処分
本日は、建物や動産にメジャーな占有移転禁止の仮処分につき、土地はできるのか、というようなことを考えてみましょう。
春原弁護士:依頼者から、建物所有の目的で土地を賃貸しているのですあ、要するに、自習室を作りたいので土地を貸してほしいということで、貸したが賃料を支払泣くなってしまったので明渡しを求めてたいという相談がありました。
服部弁護士:建物収去土地明渡しになりますね。民事的な依頼としては、自習室というのは珍しいですが借家に変わりはありませんね。
春原弁護士:このYなんですが、母屋のみならず自習室の占有を第三者に譲渡する情報がありました。
服部弁護士:そうすると、占有移転禁止の仮処分をしておかないといけませんね。
春原弁護士:ところが、未登記建物なのです。未登記建物に仮処分を行う場合、債権者で建物図面及び各階平図面を添付する必要があります。
服部弁護士:貸主としては、このような建物を建築させる場合図面を提出させるべきだ、という教訓を得られますね。そこで、勝手に入ることもできませんね。
春原弁護士:そこで、土地のみの仮処分を行うことにしました。
服部弁護士:しかし、土地のみ仮処分をして有益性があるか、やはり建物の仮処分をすべきだ、と指摘を受けるでしょうね。
春原弁護士:土地自体の占有移転禁止の仮処分は進められることになったのですね。鍵がなく、測量も困難、土地の占有が移転される恐れがある、土地の占有移転禁止の仮処分を受けた経験があるといったところですね。
服部弁護士:しかし、土地の一部に執行するので、賃借権の一部だ、ということでその特定も必要ですね。
春原弁護士:はい。私は、建物の起訴の外側を基準としている旨、説明をしましたが、範囲がわかるような現地調査をするよう指示を受けて再面接となりました。
そして、現場に行き範囲の目印になるものを再度確認し、報告書にしました。
服部弁護士:建物の占有移転禁止の仮処分はできなかったのでしょうかね。未登記建物でも税金はとられます。そういたしますと固定資産税評価証明書もありますし、法務局長に職権で表題部の登記が入る可能性もありますよね。図面においても、建築確認の際の建築確認概要書というものがありまして、その閲覧をするということもありますね。
春原弁護士:何らかの形で行政がかかわっていることが多いということですね。登記だけではなく建築課や資産課税関係の資料をあたるのが有意義だと思いました。
服部弁護士:とはいうものの、緊急性があるので、土地につき占有移転禁止の仮処分をするのも仕方がないし、賢明な判断だったと思います。