事業承継

Q事業承継に向けた5つのステップ

A

第1ステップ 事業承継に向けた準備の必要性の認識

経営者が60歳を超えたころのタイミングであり、専門家も60歳を超えた経営者に対して事業承継に向けた準備に取り組むきっかけになっている。

 

第2ステップ 見える化

正しい損益計算書、貸借対照表の作成が経営状況の把握の出発点であり、親族講演者又は従業員講演者の有無の把握、後継者の育成、経営者の個人資産承継の観点からの相続税対策等が事業承継課題のポイントである。見える化の場合は、当該中小企業のコンサルタント機能を発揮している方がキー。早期に決断し、準備をしたうえで時間の余裕があれば、経営者に孫益計算書を改善するようにアドバイスすることが望ましい。経営者の報酬が高すぎるようであれば、適正な金額に引き下げておく。また、実働のない家族の報酬があれば、減らすかなくすかが大事。また、役員貸付などの整理も重要。事業部門ごとの収支が出ているとなおいいといえる。

 

第3ステップ 磨き上げ

損益計算書と貸借対照表の改善が基本である。つまり、売り上げを大きくするか費用を小さくするかして業績を改善し、収益力を高めることと遊休資産を整理し負債を処理することにより、財産状況を改善することが基本である。両者が改善されれば、後継者が生まれてくる。内科的方法によって改善ができない場合は、債権カット等の外科的方法が必要になる。外科的方法は、再生手続き等の法的再生手続きと再生型特定調停等の私的整理手続きがある。定款、就業規則、各種会議の議事録、確定申告書類、決算書、会計帳簿、各種許認可書類等、会社にとって大切な資料をきちんと整理しておく。

 

第4ステップ 事業承継計画の策定とM&A等のマッチングの実子

弁護士としては、事業引継ぎ支援センターが利用しやすい。また、保証の解除を目指すと事業承継をしやすくなる。

 

第5ステップ 事業承継の実行

M&A仲介機関、税理士、弁護士等が連携して事業承継を実行することになる。弁護士は、主に、名義株の処理、所在不明株式の整理、経営者保証GLを利用した経営者の保証者の保証債務の処理などがある。また、従業員保証ということになると、当該従業員が資金調達をすることができるかが最大のポイントとなる。また、従業員への事業承継を契機に保証解除することを検討する必要がある。